踊り子と探偵とパリを

 

この本の作者の小路幸也さんの書かれる物語が好きでずっと読み続けています。

 

このお話は、作家を目指す青年の恋のお話。実際にその青年が経験したことを物語風にして、脚色も加えて書かれたものという設定です。

 

作家を目指す青年が恋した踊り子の命を救うためにまわりの人たちからの協力を得て前に進んでいく姿は読み手に元気や前向きな気持ちを与えてくれます。

 

作中に出てくる主人公の泊まっている宿屋や、よく食事をしてるレストラン、踊り子と出会ったお店など…そのどれもが情景がしっかりと浮かんでくるように書きこまれていて、すべてが思い浮かべられるのが小路さんの書かれる文章のいいところ。

 

この作品でも読みながらまるで自分もその舞台にいるかのような臨場感を与えてくれました。

 

いつも通り、期待以上に楽しませてもらったのですが今回はひとつだけ残念なところが。

 

それは、作中、いちばん盛り上がるであろう言うなれば「敵との対決シーン」が一瞬で終わってしまったこと。

 

どうしてか、一番肝心な部分がささっと早足で書かれていてもっともっとこの作品のなかの世界を楽しみたかった私にはとても残念に感じられました。

 

ですが、その残念な気持ちを補う楽しさを作品全体から与えてもらったので、読後の感想としては「満足」の一言です。